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バイラオル“スター・システム”


Sara Baras (Foto: Daniel Muñoz)

新しい現象ではない。半世紀以上前、ラ・アルヘンティーナ、カルメン・アマージャ、ビセンテ・エスクデーロの三人は、アナ・パウロバ、メリー・ビグナム、ルドルフ・ヌレイエフと共に、世界舞踊シーン屈指の名手とされていたバイラオールたちであった。今世紀になっては、フアキン・コルテス、サラ・バラス、エバ・ジェルバブエナの三人が現代バイレフラメンコを代表するアルティスタたちといえよう。フアキン・コルテスは世界の主な舞台で知られるアルティスタであり、他国的で現代的なバイラオールであるだけではなく、メディアの注目を集めるスターでもある。“パション・ヒターナ”、“ソウル”、“ライブ”は大成功を博した彼のスペクタクル。フアキン・コルテスの女性版とも言えるのがサラ・バラス。誰でも簡単に楽しめるフラメンコスペクタクル形式で、伝統と近代を同量に取り入れた鮮やかなテクニックの女性的なバイレでファンを魅了している。“マリアナ・ピネーダ”と“スエニョス”が彼女の代表的なスペクタクルのタイトル。

 

Eva Yerbabuena
(Foto: Daniel Muñoz)
   

グラナダ出身のエバ・ジェルバブエナのバイレのコンセプトは、華やかなスぺクタクルから少し離れた概念的で美学を探る知的なバイレ。振付も語るストリーも念を入れて精製されている。“ア・クアトロ・ボセス”、“5ムヘーレス5”や“ラ・ボス・デル・シレンシオ”がその例。技術、リズム感、表現力...全ての面において、最も完成度の高いバイラオーラとされている。彼女のソレアは神秘的な経験に近いバイレといっても加減ではないであろう。同じくグラダナ出身のラファエル・アマルゴはフラメンコに他の舞踊や舞踊以外の芸術表現を取り入れたバイレという提案で、マルチメディアを豊富に取り入れたスペクタクル“ポエタ・エン・ニューヨーク”、“エンランブラオ”、“DQ、パサヘロ・エン・トランシト”といった作品を創作している。
バイレフラメンコシーン最先端の現状は一世代前のバイラオールたちの貢献によって成り立っている。彼等が生み出したバイレはフラメンコに革命を及ぼした。中でも秀でるのがセビージャのマリア・パヘスとアントニオ・カナーレス。二人ともプレミオ・ナショナル・デ・ダンザ(舞踊国家賞)受賞者であり、独自の美学を生んだ世界的に賞賛されているアルティスタである。バイラオーラの個性的なブラセオと舞踊団が描く舞台での動きを構成する彼女のセンスは完璧に近い。“ラ・トリアーナ”、“フラメンコ・レパブリック”、“エル・ペーロ・アンダルース”、“カンショーネス・アンテス・デ・ウナ・ゲーラ”。どのジャンルもフラメンコで踊ってしまうことで有名。“トレーロ”、“バイラオール”、“ラ・カサ・デ・ベルナルダ・アルバ”、“カルメン・カルメラ”...と、多才なアントニオ・カナーレスは、数多くのスペクタクルでファンを楽しませて来た。バイラオールとしてだけではなく、俳優、作家としても活躍し、ラジオにまでも参加している。彼等ほどポピュラーではないが、似たような道をを辿っているバイラオールたちがいる。詩や演劇にインスパイアされることもあれば、伝統的でオーソドックスなバイレも魅せるカルメン・コルテスや、世界向けのバイレに東京で取り組んでいるアドリアン・ガリア。クラシック舞踊から
ヘレス派のブレリアへ転向したアレハンドロ・グラナドス...


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