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ヘラルド・ヌーニェス
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ヘラルド・ヌーニェス
バイオグラフィー、ディスコグラフィア、Real Audioと読者からのコメント


 



ヘラルド・ヌーニェス.“アンダンド・エル・ティエンポ”.
第23回 ビエナル・デ・フラメンコ・デ・セビージャ 2004

偉業

シルビア・カラド.セビージャ、2004年、9月17日

“アンダンド・エル・ティエンポ”.ヘラルド・ヌーニェス.:ギター.セビージャ、テアトロ・セントラル.
2004年9月17日、21:00時
第23回 ビエナル・デ・フラメンコ・デ・セビージャ


ヘラルド・ヌーニェス
 

 

ギタリスタがギターを弾くなんて言うのはあたりまえ。しかし、たった一人で、満席の劇場の舞台に上り、ビエナル・デ・フラメンコという大舞台で一時間以上にわたって弾き続けると言うことになると話が変わる。先駆者となるだけではない...まさに偉業と言えよう。オーケストラも、セクステットも、カホンとコントラバスのトリオさえもいない。ヘラルド・ヌーニェス、ギター一本でだけで舞台に。見えを張りに出てきたわけではない。こういった形式で弾くのは、ヘレス出身のミュージシャン、ヘラルドの、「新しい舞台をギターの為に獲得するのが僕の戦い。ギターをふさわしい地位に位置させたい」  と言う姿勢から生まれたイニシアチブ、「ピアニストがどこに行ってもにピアノが提供されるのと同じように、ギタリストの為にもギターが提供される場所ができるように」

ヘラルド・ヌーニェスがこう発言したのは弾き始めて一時間後のこと、テアトロ・セントラルを満席にした観客が一時間以上とことん楽しんでいた時。「みんなよだれが垂れちまってるよ!!」とファンが席から大声で。まさにその通り。みかん色の〝エステソ″からなんとも賢明で美しい音楽がなだらかに湧きでていくのはもちろんすごいが、とくにすばらしいのが、観客‐中には、仕事仲間のマリオ・マジャやドランテスもいた‐のヘラルドに対する敬意あふれる態度、理解し、有難く思い、満足している姿...確かに、このフェスティバルではすべてが喝采されるが、こんなに満場一致で熱いヘラルドへの拍手には、本当に特別なものが感じられた。ミュージシャンの誠実さはこの賞賛に値していた。隠したりごまかしたりしない、正直な一人のアルティスタの心に触れ合うことができた。

あまり孤独な状態を少しぐらい軽減させる為かのように、半円を描き、六枚の鏡がヘラルドの背後に設置され、観客には、彼の姿が一枚の鏡にだけにしかうつっていないように見えていた。そして円形の光の下に、蒲の椅子に座ったヘラルド...舞台装置はこれだけ。テクニックを忠実な仲間とし、今では珍しいぐらいのギターの自然な音に忠実な音色でプレイ。熱い拍手に迎えられ、“ジェルマ”で偉業を開始、1曲目の音響の旅、感触やボリューム、気分転化を鮮明に表現していく...そしてなんといっても自由。ソレア・ポル・ブレリアではヘラルド独自の世界的な内的生活経験がフラメンコの歴史に含まれている世界へ潜り込むことができた。なんという美しさなんだろう。桁外れの音楽センス。コントラバスとパーカッションの伴奏なしでも、レパートリーのすばらしさはまったく衰えないのには驚きざるを得ない。(もちろんパブロ・マルティンとセピージョのプレイの価値を薄めるようなことを言っているんでは無い)  時への旅は“トラファルガル”で続く。メロディーラインに魅了される、口ずさめる、とりつかれてしまう。フラメンコの真髄がすべての観点から見分けらる、上から、下から、奥底から...超絶テクニックは聴衆を窮地に追い込む。

この町の住人達‐セビージャ人だけではない‐には “セビージャ”を。光り輝く1曲、川に視線を注ぎ、闘牛場の白い砂地へ、蛇行する町筋へ。この音楽の透明さのコントラストはブレリア。かびくさいファルセータ、もっとハードで、ロックのようなスタイル。ソレアでは落ち着きを取り戻し、イスラエル・ガルバンのスペクタクル、“ガルバニカス”の為に作曲したファルーカへ歩み始める。たわむれた抽象、賢明な音の輝き。バイラオールを思い起こさずにはいられない、象徴的で天才的な...本当に楽しませてくれるこの音楽と同じ。ヘラルド、聴衆を喜ばせ、笑わせ、泣かせる。ヘラルドが観客に向かって一言言ったのはこの喝采の後、皆を彼の船に乗せ、「ギターラフラメンカは、他の楽器と一緒に舞台に出なくとも、面白い、魅力的なコンサートを披露できる、ありとあらゆる音楽企画のプログラムにギターに相応しい地位を獲得でき、参加できる」  ということに観客を納得させた後でのことだった。その後もまだまだたくさん聴かせてくれた。テクニックは恐ろしいぐらい、浮き、そして舞った...ブレリアで幕を閉じようとしたヘラルド、サンティアーゴかプラスエラからおり帰しの際、軌道から外れてしまう。喝采の激しさに、もう1曲弾かざるを得なかった。弾いたのは、彼が言ったように、ギタリスタにとっては珍しい、パソドブレ。観客の中に混じっていた彼の母への1曲となった。リズムとカデンシア、抜群の感覚。さいごの数歩...彼のギターのすべてを完全結集して弾いた。大喝采は言うまでもないが、もうこれ以上頼むことはできない。ヘラルドの今日の戦いは彼の勝利で終止符を打ったと言えよう...またの舞台が彼を待ち構る。フラメンコギター、相応しい地位を目指し、歩み続けている。


ヘラルド・ヌーニェス

flamencojapan@flamenco-world.com

内容

エステソ社製フラメンコギター

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