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フランスのレーベル、Harmonia Mundi社から出されている『Le Chant du Monde(世界の歌)』シリーズも同じようにお勧めだ。このレーベルからは1960年代までの録音が『Grandes Figuras del Flamenco(フラメンコの大家たち)』というタイトルで出されている。Sonifolk社と同様に、音質と体裁には気を配っており、収録されたカンテとブックレットの解説(フランス語、英語、スペイン語)によって、アフィシオナードはそのカンタオール、カンタオーラについて充分に知ることができる。このシリーズの特徴は、一つには、収録されているカンテが、ひとつひとつ説明されていること、そしてもう一つはそれぞれのコンピレーションCDは、アーティストのキャリアの中の、各時代における代表作が選曲されている点だ。カタログの各CDは、ニーニャ・デ・ロス・ペイネス、ラファエル・ロメーロ、ボリーコ・デ・ヘレス、ティア・アニーカ・ラ・ピリニャーカ、ニーニョ・デ・アルマデン、ベニ・デ・カディス、ペペ・マルチェーナ、他多くのカンタオール達がそろっている。
その他に、経済的なシリーズとしては、DiscMedi社が発売している『Grabaciones Discos de Pizarra』と題された、オリジナルは1930―50年代の録音がある。各レコードは、各アーティストを扱っている。ついてくる資料の数はわずかで、バイオグラフィーさえもない。レパートリーは、この時代に録音されたものとそれぞれのカンテを伴奏したギタリスト達だけに限られている。ペペ・ピント、フアニート・バルデラマ、ホセ・セペーロ、
マノロ・カラコールエル・ニーニョ・デ・マルチェーナ、エル・ニーニョ・デ・ラ・ウエルタ、カルメン・アマジャ他が、このシリーズに登場する。
アンダルシア・フラメンコ・センターが、自らの所有する資料をもとに編集し、2003年に『シリンドロス・デ・セラ』というタイトルで出したCDも興味深い。このCDは2枚組で、20世紀初頭のカンテが収録されている。ここには、マヌエル・セビジャーノ、エル・モチュエロ、ラファエル・モレーノ・エル・デ・ヘレス、エンカルナシオン・ラ・ルビア、パカ・アギレーラ他が名を連ねる。
歴史的な興味からは、次の2枚のCDが非常にお勧めだ。まずひとつは、『第1回カンテホンドコンクール』。このCDは、フェデリコ・ガルシア・ロルカとマヌエル・デ・ファリャの私的なコレクションで、この詩人と音楽家によって、1922年グラナダで開催されたコンクールのオリジナルの録音である。エル・テナサス、マヌエル・トーレ、ラ・ニーニャ・デ・ロス・ペイネス、
トマス・パボン 、ホセ・セペーロのカンテが聴ける至宝だ。もうひとつは、ロルカの音楽的遺産の続きとなるが、ロルカのピアノの伴奏に合わせ、ラ・アルヘンティニータが歌った『カンシオネス・ポプラレス・エスパニョラス(スペイン民謡)』だ。このCDには、歌詞カードと解説資料がついてくる。この作品は、民衆の辛辣な音楽を発掘(と同時に、そのフラメンコの根源に関する情報を閉じ込め)することに貢献した。また、今日に伝わる唯一の証拠資料でもある。現代でも、多くのカンタオール達が影響を受けている。実際、カルメン・リナーレスは『カンシオネス・ポプラレス・アンティグアス(古い民謡)』を出したし、エストレージャ・モレンテの『カジェ・デル・アイレ』のレパートリーの大部分も同じ源泉に由来する。
ここに紹介した手がかりと、Flamenco-world.comのReal Audioでの視聴さえあれば、最終的にどのCDを選んで聴くかは個々の好みの問題だろう。恐怖心を捨て、色んなものを聴きたいと思う欲求、また、当時の録音技術は今日のテクノロジーとは違い音質もあまりよくないことへの多少の理解、そしてたくさんの好奇心があればいい。初心者でも博識のアフィシオナードでも、カンテフラメンコの生みの親達の間に潜り込む価値がある。幸運にもそうしたフラメンコは我々の手の届くところにあり、現代のフラメンコと同じほど生き生きとしているのだ。アーティストをたどることで、フラメンコの進化の歴史がたどれるのも興味深い。ここに紹介したCDの他にも、膨大な古いカンテの資料はそろっている。こうして編集されたCDのハンディーキャップというのは、やや専門的で、コレクション的になるが、このカンテは未発表のものかどうかの判断がアフィシオナードにはだんだん難しくなってきている点だ。どれを選ぶかについては聴き手にゆだねられている。同じ人物の同じカンテが、別のタイトルで、別のレコード会社の別のCDに収録されていることもめずらしくない。ここまでくると、収集家の問題になってくるのだが。
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